フィリピンにおける臓器移植の現状

フィリピンにおける臓器移植の現状

フィリピンでは外国人の移植が出来なくなりました。(2017年7月現在)

フィリピンでは、一般国民に対する医療保障は貧弱であると言われています。とくに地方の医療水準は低く、地域や資本偏在による格差は大きな問題となっています。
一方、外国人や特権富裕階級の享受できる医療はアメニティも含めて高い水準にあり、施設や機器、 医療技術は日本の大病院と比べて遜色ありません。 フィリピン医学会の認定医のみならず、米国の専門医認定を受けている医師も多く、最先端の医療を受けることができます。
フィリピンの医療制度は日本と比べると異なる点が多く、どちらかといえば米国に近いシステムを持っていると言えます。

● オープンシステム

オープンシステムとは、日本のように勤務医が病院で診察をするのではなく、患者とその主治医が病院を利用して診察や治療を行うシステムです。 このため、病院単位で診療のレベルや手術の成功率を評価することは困難であり、病院の設備の充実度とともに、それを利用する医師の能力にも治療の結果は大きく左右されてしまいます。
また、病院と医師への支払いは別である場合が多く、医師は独自に料金を請求するため、優秀な医師の治療費は高額になることが多々あります。
このシステムは、治療費がほぼ一定となる日本のシステムからすれば異様に移りますが、提供する医療の質に対しても治療費に格差をつけるべきだという資本主義的な意識が反映された結果だと言えるでしょう。

● 専門医制度の徹底

フィリピンの医療制度の下では医師の専門が細分化され、専門医にしか許されない医療行為が多くあるため、日本のように一人の医師が複数の分野の診療を行うことができません。
近年、日本でも麻酔科医の配置など、専門医制度のさきがけとなるシステムが導入されていますが、フィリピンのそれはかなり徹底されています。 たとえば、日本ではX線写真などは大抵の医師が読影して診断するのに対し、フィリピンの医師は専門医の読影結果を得なければ診断できないことになっています。
これは、より的確な診断を可能にする反面、最終診断がつかずに治療の遅れを招くこともあります。

● 救急医療の開放

日本では重篤な状態以外では利用できないように思われている救急室は、フィリピンでは24時間稼動で患者を受け入れる総合外来として機能しています。 これにより、患者は昼間多忙であるために病院に行かず、治療が遅れてしまうという事態を避けることができます。
フィリピンの移植の歴史は複雑で、多くの闇業者による臓器売買が横行してきました。貧困層の腎臓売却や死刑囚からの臓器摘出などが頻繁に行われ、これまで多くの外国人が手術を受けています。
闇業者を仲介して行われる臓器移植手術では、闇医者も多く係わり、不十分な管理のもとで手術が行われるなど、フィリピン医療の信頼を傷つけてきた経緯もあり、信頼の回復も課題のひとつとなっています。

フィリピンの移植技術は、平均的には決して高いとは言えませんが、腎臓移植に関しては突出しており、その水準は最先端レベルにあります。
その理由は、第10代大統領であるフェルナンド・エドラリン・マルコス氏が自身の腎不全治療、腎臓移植の為に研究所設立や専門医の養成に力を入れた結果であるといえます。なお、マルコス大統領夫人によって設立された国立腎臓移植研究所(National Kidney and Transplant Institute)は腎臓移植の研究と臨床において大きな成果をあげており、現在もフィリピンの移植医療の中心的施設となっています。

フィリピンの医学生や研修生は、米国式の教育システムのなかで、日本以上に厳しい訓練を受けて初めて医師になることが出来ます。
医師志望者は四年制大学を卒業後、メディカルスクールで4年、その後に1年間のインターン(臨床実習)を終えて医師国家試験を受験します。医師免許取得後は学会に所属し、2~5年のレジデント(病院勤務医)をしながら専門医試験受験のためのカリキュラムをこなし、そしてそれぞれの試験に合格して初めてその分野における診療が行えるようになります。
専門医とは別に、インターン終了後すぐに開業する一般医がありますが、行える診療は限定されています。
また、フィリピンの専門医は米国と直結しており、世界で通用する欧米の専門医療の資格を取得している医師が多いことは、日本や他のアジア諸国(シンガポール除く)とは大きく違う特徴であり、医療技術が先進国に劣らない証明にもなっています。実際にフィリピンの医師の約30%は米国の臨床分野で活躍しています。

一方、看護師になるためにも四年制大学で看護学を専攻し、卒業試験及び国家試験と難易度の高い試験をパスしなければなりません。 このような教育システムから、フィリピンの看護師は医療知識においては日本よりも優れていると言われています。
また、フィリピンの看護師は、医師、特にインターンレベルの医療行為を日常的に行っており、医師の指示がなければ医療行為ができない日本の看護師にくらべて、より的確で主体的な治療医療や予防医学に踏み出しています。
欧米、主に英語圏からの需要は他のアジア諸国の看護師に比べてとても多く、その技量と能力は広く認められています。

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