2010年10月の記事一覧

世界最先端!! ES細胞による糖尿病根治治療最前線見学会のご案内

世界最先端である胚性幹細胞ES細胞)を使った糖尿病根治治療の現場を見学していただきます。
世界でも唯一こちらの幹細胞システム技術研究センターでしか施術を行う事のできない最先端医療をご覧になっていただきます。

当日空港から病院まで当センタースタッフが送迎させて頂きます。
病院内では諸施設の見学、(検査棟、手術室、患者病棟等)また、施術に関する医師からの説明、方法、術後の客観的な指数等の説明が成されます。さらにご質問等にもお答致します。また、施術された患者様の意見等もお聞きする事ができます。

この治療による糖尿病の根治率は非常に高く、5年経過後の血糖コントロールが可能な患者は80%と言われております。
また、治療自体も点滴のみの治療で有り、患者に及ぼす副作用や危険等も殆どないという素晴らしい効果をもたらせております。
もちろん患者によって様々な合併症等もございますので、この数値はあくまで平均的なものであります。

しかしながら今世界でこれほどまでの成果が出せる治療はありません。
是非この機会にこの治療の素晴らしさを体験されて頂きたいと思います。

医療施設内サービス項目
a> 患者様の具体的な状況に合わせて移植案を制定します。
b> 患者様の要求に応じて緻密で、個性的な行き届いた24時間看護を提供できます。
c> 完全な個人ファイルを作り、患者様1人ひとりに定期訪問記録を作成して、患者様
の健康状況を適時に把握することによって最善の健康プランを提案します。
d> 幹細胞移植後、一般検査(血液検査、尿検査)、心電図、肝機能、腎機能と映像など
客観的な指数を比較しながら、患者様の健康状況を観察し、患者様の体感指数を記
録して正確な治療評価を行います。
e> 500床を設けております。各病室に独自のバス・トイレがあり、テレビ、ソファー、
デスクとタンスを設置してあります。
f> 患者様本人とご家族に食事と宿泊を手配いたします。乗車券、航空券などの予約を
代行いたします。
g> 遠隔地よりお越しの患者様に送迎サービスを提供いたします。

人類生命科学の大きな進展――胚性幹細胞移植

幹細胞」という言葉は1896年に著名な生物学者E. B. Wilson氏によってはじめて使われました。幹細胞とは私たち体内にある巨大な増殖、分化する能力を持つ原始細胞のことです。私たち人間の体は細胞によって構成され、いろいろな生理活動は皆細胞の生命活動の現れです。これらの細胞はすべて体内の幹細胞の増殖と分化から由来し、これらの幹細胞はまた胚性幹細胞の分化によって作り出されています。胚性幹細胞はさまざまな細胞に分化できる能力を持つ原始幹細胞です。したがって、幹細胞の研究は現代における人類生命科学研究の最前線になっています。

胚性幹細胞移植は根本から老化を抑え、生命を延長し、細胞の段階から各種疾病の予防と治療に役立ちます。この点は、伝統医学では実現できないことです。

人体の老化は細胞の老化から始まるもので、疾病は細胞の病変の総合的な反映だということはすでに生命科学によって証明されました。胚性幹細胞移植は胚性幹細胞をタネ細胞として人体に移植し、生命体のコントロールによって、各種組織器官が必要な機能細胞に分化される仕組みになっています。体にたまっている衰弱・病変した細胞と入替え、細胞の新旧更新を加速し、各組織器官の生理機能を回復・維持して、人体を若い、健康な状態に戻します。近年、骨髄、臍帯血から成体造血幹細胞の獲得が広く応用されていますが、胚性幹細胞と比べると、胚性幹細胞の場合は、型合わせの必要がなく、分化できる細胞の種類が多く、移植方法が簡単、副作用がないなどの優れた点があり、幹細胞移植の主流になってきました。

胚性幹細胞移植 老化を抑制し、生命を延長する

胚性幹細胞移植は人類生命科学の大きな進展です。胚性幹細胞移植は新しく作り出された機能細胞で衰弱・病変した細胞を代替し、生命体の生理性再生と組織修復に役立つ仕組みになります。各組織器官の機能修復と保護が、病気に転化することを抑制し、病気の前兆である各症状を消滅することができます。人体の若さと健康状態を保ち、根本から老化を抑え、生命を延長してくれます。女性の場合、胚性幹細胞の移植によって、皮膚細胞や卵巣細胞が新しく作り出され、卵巣の機能が回復し、更年期を遅らせることができます。男性の場合、胚性幹細胞の移植によって、若い腎臓細胞と睾丸間質細胞を分化することができ、腎臓の組織を新たにし、腎臓機能が向上します。

胚性幹細胞 各種疾病の予防と治療に役立つ

胚性幹細胞移植は根本から各種病気の予防と治療に役立ちます。疾病は細胞病変の総合的な反映であって、衰弱した細胞は各種疾病の発病のもととなっています。胚性幹細胞の移植によって、生命体に若くて健康な細胞の数が増え、衰弱した細胞を代替することによって、各種疾病(脳血管疾患・心疾患、パーキンソン病、老人性認知症など)の発生を防ぐことができます。胚性幹細胞移植は糖尿病、肝臓病、脳血管疾患、心疾患、神経系病気と腫瘍など病気の治療の面では伝統医学が比較できないほど優れています。細胞の段階から、新しい細胞で病変した細胞を代替し、伝統医学では治すことができない病気を治癒することができます。

幹細胞システム技術研究センターが世界幹細胞分野でトップの地位を有するウクライナ幹細胞研究所と協力して、2002年に5億元の資金を拠出して幹細胞移植技術を中国に導入、吉林硅谷医院で幹細胞移植センターを成立しました。2003年から、衛生庁と中国国家衛生部の許可を相次いで取得し、中国はじめての国が認定した胚性幹細胞移植センターになりました。そして、今はすでに4000例あまりの移植に成功し、著しい治療効果をあげました。幹細胞移植技術発展の一里塚といえましょう。

胚性幹細胞移植――人類病気治療の新たな望み(糖尿病編)

幹細胞は人体成長と発育のもとであり、体の各種組織器官の安定した更新を維持しています。幹細胞は私たち人体のあるあらゆる器官に存在しています。幹細胞の存在する場所は幹細胞巣と呼ばれています。一般では、幹細胞巣とは幹細胞、周辺細胞とそれら細胞の分化・増殖を制御する関連因子によって構成した、動態バランスが維持する性格を有する局地環境のことだと思われています。

胚性幹細胞の移植は根本から老化の発生を抑えることができ、生命の延長につなぎ、細胞の段階から各種病気の予防と治療に役立ちます。これは伝統医学には望めないことです。

胚性幹細胞の移植は、胚性幹細胞をタネ細胞として体内に移植します。移植された胚性幹細胞は体自身にコントロールされ、体の需要に応じて各種器官組織が必要とされる機能細胞に分化し、体中にたまった衰弱・病変した細胞と入替え、細胞の新旧交代を加速させ、各組織器官の生理機能を回復させることによって、若くて健康な状態の体を取り戻します。
胚性幹細胞の移植は根本からさまざまな病気の治療と予防ができます。疾病というのは細胞病変の総合的な現れです。衰弱した細胞はさまざまな疾病の発病のもととなっています。胚性幹細胞の移植は体内の若くて健康的な細胞の数量を増やすことができ、衰弱してしまった細胞と入替え、さまざまな疾病の発生を防げます。

胚性幹細胞の移植は膵臓のランゲルハンス島B細胞を作り出すことによって糖尿病の治療ができます
以前に述べたように、疾病というのは細胞病変の総合的な現れです。1型糖尿病は体のインスリンの工場である膵臓のランゲルハンス島B細胞が遺伝子感受性と外部原因の共通作用によって、細胞表面抗原に変化が起き、膵臓のランゲルハンス島B細胞の数が減り、体が分泌するインスリンが完全不足になったことから発症します。それに対して、2型糖尿病は、膵臓のランゲルハンス島B細胞が機能的障害によってインスリン分泌の低下、あるいは標的細胞(肝細胞、脂肪細胞、皮膚細胞など)がインスリンに対する感受性の低下から発症します。伝統的な治療法では、1型糖尿病の治療はインスリンの使用以外に方法がありません。2型糖尿病の場合は、薬の服用によってインスリンに対する感受性を高めてからインスリンで治療することになっています。これらの方法はどれもがインスリンを生産できる膵臓のランゲルハンス島B細胞を作ることができないので、糖尿病の完全治癒ができません。胚性幹細胞移植技術の発見は、糖尿病の治癒に希望をもたらす事になりました。胚性幹細胞は体内で膵臓のランゲルハンス島B細胞を分化によって作り出します。膵臓のランゲルハンス島B細胞の量が正常に回復し、体の需要に応じ、インスリンを分泌して血糖を下げ、体内の血糖値の均衡につながります。

胚性幹細胞移植はその他の各種器官の機能細胞を新しく作り出し、その生理的機能の改善によって糖尿病と併発症の治療および予防に役立つ
糖尿病が原因で、体内の血糖値が高い数値のままになっていると、複数の組織器官の機能細胞に害をもたらすことになり、それら器官の正常な働きに影響を与えてしまいます。例えば、体内糖分の代謝機能が乱れると、血中脂肪が多くなり、血管内皮細胞が壊れてしまいます。それに加えて、炎症細胞が浸潤してくることで動脈粥状硬化となり、脳血管疾患・心疾患にいたります。長期的な糖代謝の乱れに各種薬の副作用による肝細胞や腎臓の上皮細胞の破壊を加えると、肝臓病や腎臓病を引き起こします。胚性幹細胞の移植は、膵臓のランゲルハンス島Bを新たに作り出して糖尿病を治療することができます。その一方、他の組織器官の機能細胞を作り出すことができます。例えば、血管内皮細胞を作り出して、動脈粥状硬化を改善でき、血液の循環を良くし、血圧のコントロールや脳血管疾患・心疾患が糖尿病患者にもたらす被害の減少に役に立ちます。そして、肝臓細胞や腎臓の上皮細胞を新たに作り出して、肝臓や腎臓の生理機能を回復させ、人体の各組織器官の安定したバランスを保ち、細胞の段階から糖尿病と併発症の予防と治療に役立ちます。

以上のように、体内のランゲルハンス島B細胞と様々な機能細胞が繰り返し破壊されると、自分自身では改善・回復することが難しいです。従来の治療法では細胞の量を元に戻すことができません。幹細胞移植技術の発見は、体内幹細胞の量と質の補充を現実にしました。移植された胚性幹細胞は血液の循環にのって、各組織器官に定着し、分化によって機能・構造が整った機能細胞を作り出します。糖尿病患者の場合は、幹細胞移植によって、ランゲルハンス島B細胞の数量が元に戻り、インスリン標的細胞を再び作り出し、体自身の血糖値に対するコントロールを回復して、血糖値を下げる薬やインスリンへの依存から脱出することになります。それと同時に、移植された胚性幹細胞は損傷を受けた器官(肝臓、腎臓、心・脳血管など)に相応する機能細胞を新しく作り出すことができます。例えば、肝臓にある肝細胞、腎臓にある各種実質細胞と間質細胞、血管の内皮細胞と神経系の各種神経元と神経膠細胞などを作り出すことができます。糖尿病患者に全面的な治療を行うことができます。胚性幹細胞は生体の細胞となっているので、大量に移植しても副作用や拒絶反応が起こりません。糖尿病の治療にはとりわけ恵まれた優勢を保っています。

胚性幹細胞移植技術の発見と発展によって、細胞療法は医療進展の趨勢となっています。

糖尿病

患者,男性,1966年生まれ。2年前医大二院に受診された。Ⅱ型糖尿病と診断された。当院で初診時の検査では、血糖値20mmol/L、尿糖値(+++)、ケトン体(+)。胚性幹細胞移植を施行した。60日間経過後、血糖値6.0mmol/L、尿糖値(—)、ケトン体(—).各種症状が減退した。経過観察を行なって6ヶ月、血糖値は正常範囲内にあって、跳ね上がりがなかった。
分析
胚性幹細胞は体内に移植後、自家更新と分化によって、病変した膵臓のランゲルハンス島B細胞の機能を修復し、糖代謝の乱れを正しました。内分泌の調整、水液代謝の調整など行われて、糖尿病の治癒を実現します。


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糖尿病根治シリーズ

生命科学は20世紀末と今世紀はじめに自然科学領域で最もすさまじい発展を実現した分野です。幹細胞の研究と応用はその中で最も注目を浴びている領域の1つとなっています。アメリカの科学雑誌『Science』の発表では、幹細胞研究の新発見が1999年・科学成果ベストテンのトップになりました。そして2000年度再びベストテンに選ばれました。今日、幹細胞の研究は殆どの生命科学と生物医学の領域に応用されるようになっています。

「生物学のあらゆる問題を解く鍵は、最終的には細胞の中から見つかるに違いない。」これは、前世紀初頭に活躍した細胞生物学者E. B. Wilsonの言葉である。彼が述べているように、細胞は、生物の生命活動の基本単位です。

幹細胞とは何か

我々人間の体は400万億~600万億の細胞から成り立っています。細胞の種類は230あまり、大きく分けて2種類となっています。一つは機能細胞です。機能細胞の生命活動の現れは人体の多種多様な生理活動です。例えば、心臓は心筋細胞からなっています。リズムにのった伸縮と拡張が心臓の生理機能を全うしています。人間の思考も、脳の神経元細胞の情報相互伝達によって完成されています。すなわち、機能細胞の健全と活躍があってこそ我々人間が若さを保ち、健康で活力に満ちているといえます。しかし、細胞は人間自身と同じように、死亡することがあります。正常な細胞死滅と外部の要因による影響での細胞壊死などで、人体は毎日大量な機能細胞が失われています。従って、ある他種の細胞によって新たな機能細胞を生成する必要があります。この種の新たな機能細胞を生成できる細胞は幹細胞そのものです。人体の各組織器官に幹細胞が存在しています。その幹細胞の量と質が組織器官の機能と状態を決めています。幹細胞も生命体です。幹細胞の生命の過程も発生、発育、成長、老化、死亡という自然のルールに則して進行しています。年齢と共に体内の幹細胞の量と質も次第に下がってしまい、人体の需要に応じられるような、老衰・病変した細胞を代替する若くて健康な新細胞を産み出すことができません。その結果は人体の老衰と疾病となって現れます。従って、体内で活躍する幹細胞の数量を元に戻すことは、体の衰えを抑え、各種疾病の予防と治療のための重要なキーワードになっています。

生命の発育時間の順番から、幹細胞を万能幹細胞、胚性幹細胞(ES細胞)と成体幹細胞の3種類に分けることができます。これらの幹細胞はそれぞれどのような特徴があるでしょうか。

生命の起源である万能幹細胞

受精卵は万能幹細胞で、万能性を有して、完全な個体(人体)に発育することができます。

組織器官発育の基となる胚性幹細胞(ES細胞)

受精卵が発育してから15~56日目は胚期と呼ばれ、この段階の細胞は胚性幹細胞(ES細胞)です。胚性幹細胞(ES細胞)は万能幹細胞の分化によって生まれましたが、その万能性を失い、完全な個体に発育することができなくなっています。しかし、胚性幹細胞(ES細胞)が強い増殖能力と多分化能を有するため、生命体の需要に応じて230種あまりの機能細胞を作り出すことができます。ES細胞の信号を受け取る能力が高く、様々な良質細胞を分化することができます。

組織の修復再生の基礎となる成体幹細胞

成体幹細胞は胚性幹細胞(ES細胞)のさらなる分化より生成し、分化能力が更に制限され、それぞれ存在する組織の要求に従って固有のタイプの細胞を作り出すことしかできません。例えば、脳に存在する神経幹細胞は神経細胞にしか分化することができず、心臓に存在する心臓幹細胞は心筋細胞にしか分化することができません。

ES神経幹細胞

神経系は人体構成上と機能上では最も複雑な部分です。ほとんどすべての組織、器官をコントロールしている神経系は人体を有機的な一つの統一体にし、生体機能の各系統の中では主導的な役割を果たしています。したがって、神経系は生命体から厳重に保護されていて、他の物質は神経系にある血液脳関門( BBB)へ非常に進入しにくいが、幹細胞は簡単に進入することができます。そのため、当センターは胚性幹細胞段階の幹細胞を神経幹細胞に作製した後、移植を行います。このような方法は、神経系に新たに幹細胞を獲得させ、神経系にある幹細胞の所有量を一定に保つことで有利です。最終的に人体の神経系の正常状態を守り、神経系の老化と疾病の発生を抑制することができます。

ES造血幹細胞

胚性造血幹細胞は多分化能を持つため、人体の需要に応じて体内必要な230種の機能細胞に分化することができ、体内各組織器官を修復し、全身各組織の機能を改善することができます。

患者様に移植を行った場合、胚性神経幹細胞は神経系統の機能を修復・改善することができ、胚性造血幹細胞の分化を精確にコントロールすることもできます。この2種の幹細胞を一緒に使用すると、体を速やかに最もよい状態に回復させることができます。どちらか一種だけ使用する場合は、相対的に遅くなってしまいます。

幹細胞の選択及び分類

どの種類の幹細胞を選ぶかは幹細胞の応用において一番の問題となっています。生命の発育順番から以下の分類ができます。

万能幹細胞—-万能性を持っていて、一定の条件下では完成した個体に発育できるので、移植するには不適です。

胚性幹細胞—-完成した個体に発育することができませんが強い増殖能力と多系統の細胞に分化する多分化能を有するため、人体の需要に応じてすべての機能細胞を作り出すことができます。胚性幹細胞は全身機能を改善し、各組織器官の機能を若い状態に取り戻してくれます。元気にあふれた健康な体造りにしてくれます。従って、胚性幹細胞は移植に最も適すると思われます。

成体幹細胞—-現在医学領域で多く応用されているのはこの成体幹細胞です。例えば、臍帯血幹細胞移植と骨髄幹細胞移植などのように、白血病、再生不良性貧血などの治療に当たってはよい効果を果たしています。成体幹細胞は機能の単一性から、それに対応する血液系の病気しか治療することができません。

当センターは臨床に胚性幹細胞を使っています。その原因は胚性幹細胞に以下の優れた特徴を有していることにあります。

●    増殖する能力が強く、分化できる細胞の種類が多く、高質です。

●    転移、帰巣能力を持っています。

●    付着能力が強く、帰巣後老化・紛失する可能性が低いです。

●    信号を受ける能力が強く、新環境に応じて形を定め、自由に分化することができます。

●    拒絶反応が起こらなく、型合わせをしなくても良いのです。

幹細胞の機能

移植された幹細胞の帰巣と分化

幹細胞巣とは幹細胞、周辺細胞とそれら細胞の分化・増殖を制御する関連因子によって構成した、動態バランスが維持する性格を有する局地環境のことです。移植された胚性幹細胞が生体の需要に従って体内の相応位置に転移し、自主的に各組織器官の幹細胞巣に位置を定めます。このプロセスは幹細胞の帰巣と称します。胚性幹細胞はまた形を定めていないため、容易に新しい環境に順応し、新環境の特徴を有する幹細胞に変化することができます。新環境特徴の幹細胞は組織の需要に応じて、相応する幹細胞に分化することができます。組織の細胞を更新させ、各システム内の動態バランスを回復させます。

例えば、移植した胚性幹細胞は肝臓微環境の影響によって、肝臓幹細胞に変わります。そして周囲の細胞の影響を受けて、新たな肝臓細胞を作り出します。

幹細胞の機能が生体の発育、成長、老化の段階を表す

早期の幹細胞は増殖・分化する能力が強いため、死亡する細胞数より発生する細胞数のほうが多く、生体を成長・発育の最もよい状態にしています。生体の発育が成熟したことに伴って、幹細胞の増殖・分化する能力が安定状態に近づいてきます。このときの幹細胞が随時に新しい細胞を作り出して老化した細胞を代替します。このことによって体内細胞の安定した更新状態を保ち、各組織の機能の安定を維持でき、生体を成熟した状態にします。しかし、生命体全てが成熟の段階から老衰に進行しなければなりません。体内幹細胞の絶えず増殖と分化が必然的に幹細胞群の老化と減少を引き起こします。体内細胞の安定した更新が損なわれ、新生した細胞が老衰した細胞と代替することができなくなります。その結果、各組織の機能が低下し、最終的に人体が老衰に向かわれてしまいます。

幹細胞は生命の起源になる細胞

単細胞受精卵(一代目幹細胞)からはじめ、卵割と呼ばれる段階を経て、内部細胞塊という生体になる部分が生成し、生体器官の形成と生後の発育の一連のプロセスによって人体が形成されます。幹細胞は一方では時間軸に沿って順序良く分化を行い、様々な細胞を形成しています。一方はまた予定された全体の構成図のとおりに厳格に増殖、転移、配列及び他のタイプの細胞と組合せ、様々な組織と器官を形成し、完成した個体にたどりつきます。

幹細胞は人体の動態バランスを維持するタネ細胞

人体は幹細胞の増殖と分化によって細胞の更新を実現しています。成年したことが細胞の増殖と分化が完了した意味ではなく、依然として制御されている組織の更新プロセスが保たれています。骨髄、上皮組織など一部の組織には、分化によって老衰、死亡した細胞を代替するため新細胞が絶えず生成しています。生体内細胞の動態バランスを保っているのは幹細胞の増殖です。幹細胞は自己更新組織という特定した位置に存在する成長の遅い細胞です。その子細胞の一部分には元の細胞の増殖する能力が残っています。その他の一部は多系統の細胞に分化することによって様々な機能細胞を形成し、組織器官を絶えず更新と修復を繰り返させています。幹細胞のこのような自己維持及び全能性の特徴が、幹細胞を組織再生の基礎にしました。機能から言うと、幹細胞は分化した細胞の機能を執行するのではなく、特化細胞を生成するタネになる細胞です。


総説腎臓移植シリーズ

総説腎臓移植シリーズ

末期腎不全治療のオプション提示

―特に腎移植の説明に関して―

東京大学医学部附属病院腎臓内分泌内科

柴垣有吾

2002年度末の日本透析医学会の統計調査によれば新規透析導入患者数は33,710人である。一方2002年

度に施行された腎臓移植は757例のみであり単純に計算すると新規末期腎不全患者の2%程度しか腎臓移植の恩恵を受けていない計算になる。また透析方法においても日本では腹膜透析が占める割合は約4%程度と低調である。

歴史的経緯や社会的問題(保険制度含め)などの要素はあるもののこれは純粋に医学的観点からは腎臓移植や腹膜透析を受けている患者数がこれ程少ないことへの説明にはならない。日本の血液透析の成績が諸外国に比べ優秀であることは事実であるし誇るべきことであるとは言えるがこれはあくまでも医師の立場での自己満足にすぎない可能性もある。すなわち実際の個々の患者においては血液透析よりも腹膜透析や腎移植を行ったほうが予後やQOLが良かった可能性があると考えるのが自然である。腹膜透析に関して言えば血液透析と比較しその予後は同等あるいはそれ以上(特に導入後数年間)であり,QOLも高いことが最近認識されている。今後技術の進歩によってさらにこの傾向が高まる可能性がある。後で述べるが一般には腎移植も予後とは透析療法よりも優れていると考えられる。

しかしこれらつのオプションが腎不全患者に対してきちんと説明されていない現実がある。筆者らが腎臓移植をすでに受けた患者にアンケート調査を行った結果によればその内の80%以上の患者が十分な腎臓移植の説明を透析導入前に腎臓専門医より受けていなかった。すなわち移植が成功するはずの患者にさえ移植の説明が十分なされていないのである。腹膜透析についてさえ十分な説明を受けていないケースが多い。また患者サイドにおいても腹膜透析や腎臓移植に対して現実以上にネガティブなイメージ(それぞれ腹膜炎や日和見感染症など)があるのも事実のようである。情報収集に受身的な日本人患者においては情報源は担当医師であることが多いため医師の考えが患者のイメージに反映される可能性が高い。医師の知識や経験の偏重がその原因である可能性がある。

理解すべきことはこのつのオプションにはそれぞれ長所と短所があり個々の患者でどれが適切であるか

は異なるということと,3つのオプションは互いに排他的なものではなく補完的な側面を持つという点であ

る。つまり個々の患者においてその時点で最も適切だと思われる療法を患者と相談したうえで決定しま

た個々の治療法の長所を生かす観点から場合によっては治療法の併用(血液透析と腹膜透析の併用)や経時的な治療法の選択(腎臓移植→腹膜透析→血液透析など)を考えるなど総合的かつ長期的な腎不全治療プランを組み立てることが今後は求められると思われる。

本稿では紙面の都合上,3つのオプションのすべてを述べることはできないため特に認識が低いと思われる

腎臓移植というオプションを提示するにあたって必要と思われる情報に的を絞って論じてみたい。

348 末期腎不全治療のオプション提示

腎臓移植と透析療法の比較

腎臓移植

腹膜透析

血液透析

生命予後

優れている。

移植に比べ悪い。

腎機能

かなり正常に近いレベル

(60~70%程度)

悪いまま

(貧血・骨代謝異常・アミロイド沈着・動脈硬化・低栄養などの問題は十分な解決ができない。)

心筋梗塞・心不全・脳梗

塞の合併

透析より少ない。

移植より多い。

生活の質(QOL)

優れている。

移植に比べ悪い。

治療自体による負担

社会復帰率

非常に高い。

高い。

低い。

治療に必要な薬剤

免疫抑制剤とその副作用

に対する薬剤

慢性腎不全の諸問題

(貧血・骨代謝異常・高血圧など)に対する薬剤

必要な薬剤

治療自体による生活の制約

ほとんどない。

やや多い。

(透析液交換・装置のセットアップの手間)

多い。

(週に3回1回4時間程度の通院治療)

治療自体による症状

なし

お腹が張る。

穿刺による痛み除水による血圧低下

必要な手術

腎臓移植手術

(大規模手術・全身麻酔)

腹膜カテーテル挿入

(中規模手術)

ブラッドアクセス

(小手術・局所麻酔)

通院回数

移植1年以降は2カ月に1回程度

月に1回程度

週3回

一般生活上の制限

食事・飲水の制限

少ない

やや多い

(水・塩分・リン)

多い(蛋白・水・塩分・カリウ

ム・リン)

旅行・出張

自由

制限あり(透析液・装置の準備

運搬・配送が必要)

制限あり(通院透析施設の確

保予約が必要)

スポーツ

移植部の保護以外自由

腹圧がかからないように

自由

妊娠・出産

可能

ほぼ不可能

ほぼ不可能

入浴

問題ない

カテーテルの保護が必要

透析後はシャワーが望ましい。

その他の利点

透析による束縛からの解放感

血液透析に比べ自由度が高い

医学的ケアが常に提供される

最も日本で確立した治療方法

その他の欠点

免疫抑制剤の生涯服用

(副作用の可能性)

拒絶反応などによる移植腎機能障害の可能性(透析再導入の可能性)移植腎喪失への不安

カテーテル

腹膜炎の可能性

蛋白の透析液への喪失(低栄養)

腹膜(透析)の寿命(10年以下)

ブラッドアクセスの問題

(閉塞・感染・出血・穿刺痛

ブラッドアクセス作成困難)

􌏯 生命予後

日本透析医学会の2002年度末の統計調査によれば透析患者の5年および10年生存率はそれぞれ約60%

,約40%ある。一方で日本の移植患者の死亡率は年間約3%であり圧倒的に移植患者の生存率が高い。し

かし移植を受ける患者が一般の透析患者よりより若く健康な者が多いため比較が難しい。このバイアスをなくすため献腎移植をした患者と献腎移植登録はしたが移植に至っていない透析患者の生存率を比較したデータが発表された。これによれば術後約カ月までは周術期死亡のため移植患者の死亡率のほうが高いがそれを超えて生存した場合移植患者の生存率が高くなる。特に若年者や糖尿病患者に限れば移植によってさらに生存率が高くなることが示された(表)。

術後早期の死亡例自体も現在では非常に少なくなっている。術後死亡は適切な心血管系の術前評価周術期管理によって十分に予防が可能である。重篤な心肺疾患のない若い患者ではこのような術後早期死亡は非常に稀である。

􌏰 心血管系合併症のリスク

心血管系合併症の発症リスクは透析患者で非常に高いがこれが移植によって改善することがすべての年齢層で示されている。この心血管系リスクの低下は特に若い移植患者で顕著であり移植によるメリットが大きい。図1に示されているように心血管系合併症による年死亡率は25~ 34歳では健康な人と比べ透析患者では100倍以上も高くなるが移植を受けることにより死亡率の比は20倍程度にまで低下している。

􌏱 透析合併症

生体腎移植後に得られる良好な腎機能は正常の約60~70 程度であるがこの腎機能の回復により数々の

透析に伴う合併症が改善することが知られている。腎性貧血やカルシウム・リン代謝はもちろんのこと皮膚瘙痒症の消失やアミロイドーシスの進行も止まる。小児においては成長障害も改善する。これらの合併症に対する薬剤の必要もなくなる。

􌏲 生活の質(quality of life:QOL )

QOLに関しても移植後の向上を認めることが多い。日本における腎臓移植レシピエントのアンケート調査でも移植により体調の改善社会復帰の促進時間・食事の制限からの開放透析自体からの開放感などの点で移植を受けて良かったとする者が受けないほうが良かったとする者を圧倒的に上回っている(93.9% vs 0.2%。残り5.9%はどちらとも言えないという回答)。社会復帰の程度も健常者と変わらないという者が60%を占め術前より良いとする者と合わせると90%で術前より悪いとする3.6%をはるかに超えている。このような移植に対するポジティブな考えは拒絶反応を経験した患者移植後腎機能が低下している患者や透析再導入となった患者にも認められることが注目に値する。

女性においては移植後に妊娠・出産が現実的なものになることも重要な点であり移植後妊娠例では80%が分娩に至り,40%が自然分娩,60%が帝王切開に至っている。そのほか表に呈示したように治療自体による負

担や一般生活上の制限などにおいて患者が移植のQRLのほうが高いと感じることが多い。

􌏳 費用対効果比

費用対効果比は日本でのデータはないが米国では移植後腎機能が~ 年以上もてば移植のコストが透

析よりも安価になることが知られている。これは免疫抑制剤の使用量が減ること心血管系合併症が移植後低下すること透析に要する医療コストがなくなることがすべて寄与している。日本でも初年度を除き透析療法では月額40~50 万円かかっているのに対し移植では約15万円と医療経済の観点からも腎臓移植は優れた治療法と言える。しかも透析と同様に日本では保険で大部分がカバーされているため患者の費用負担はほとんどない。

腎臓移植はバラ色の治療では必ずしもない

前述のように腎臓移植は透析療法と比較して優位な点が多いがすべての腎臓移植の患者が予後やQOLが改善するわけではない。腎臓移植では,1)) 大きな手術を必要とする,2) ほぼ生涯にわたる免疫抑制剤の服用を必要とする,3) 移植腎の生着率は完全ではなく透析再導入となることが多いことが問題としてあげられる。腎不全の治療方針は患者の人生を左右する。腎臓移植の良い点と同時にその問題点を隠すことなく患者に伝えることも腎臓内科医の重要な役割である。

􌏯 手術の必要性

腎不全患者では心血管系疾患の合併または潜在的合併患者が多く術中・術後の心血管系合併症が一般患者より多い。現在は術前の心血管系の評価を十分に行うことによってこのようなリスクはかなり低下しているが一般人よりも高リスクであることは事実である。心血管系以外でも創部感染やヘルニアなどに悩まされる患者もいる。また大きな手術は患者にとっては医師が感じる以上に精神的負担も大きい。手術のリスクはゼロでないことは患者に十分伝える必要がある。

􌏰 免疫抑制剤の使用

ステロイド・カルシニューリン阻害剤(シクロスポリンタクロリムス) 代謝拮抗薬(ミコフェノール酸モフェ

チルアザチオプリンミゾリビン)などをはじめとする免疫抑制剤の使用により腎障害肝障害心血管系および代謝系合併症(高血圧高脂血症肥満耐糖能異常) 骨関節疾患(骨粗鬆症骨壊死) 感染症(特にカリニ肺炎やサイトメガロ感染症などの日和見感染症) 癌(移植後リンパ増殖性疾患皮膚癌など)などの発症のリスクを高める可能性がある。尿毒症腎不全自体の合併症が軽減されてもこれらの合併症により不幸な転機を辿る患者も実際に存在する。このようなリスクは必ずしも術前に予見が可能とは限らないのが厄介な点であ

る。

􌏱 移植腎機能

他稿でも述べられているが移植腎機能はすべての症例で保たれるわけではない。全体では5年で約20%,10年で約40%の患者が透析再導入となる。これは免疫学的な拒絶反応による腎障害だけでなく高血圧などの

心血管系合併症や高脂血症糖尿病などの代謝性疾患の合併カルシニューリン阻害剤の腎毒性腎炎の再発や

新規発症など多くの要因が絡んで起こってくるものであり移植腎機能の長期成績は近年においても改善が芳しくない。

患者は腎機能が悪くなるたびに頻回の外来受診が必要となるだけでなく検査入院や移植腎生検を施行され

仕事や家庭生活におけるQOLが阻害されることがある。また患者は常に透析再導入の不安と隣り合わせで生きていかなければならない。透析をしていたときのほうが気が楽であったと感じる患者も実際に存在する。

腎臓移植を受けるまでの流れ

以上のような末期腎不全の治療法のつのオプションにおける腎臓移植の位置付けが頭に入った状況で実際の患者での対応を考えてみたい。その流れを図􌏚に示す。

まず腎臓移植を受けるためには移植手術に耐えられる健康状態が必要である。特に感染・癌や重篤な心血管系合併症のある患者はその時点での腎臓移植候補からは除外する必要がある。また高齢者(一般的には70歳以上)では手術のリスクが高いことと移植腎の生着期間が患者の予後をかなり上回ることなどを考え敬遠されることがある。

腎臓移植の適応

􌏯 腎臓移植の適応となる腎機能

基本的には保存期腎不全患者ではGFR 15ml/min で6カ月以内の透析導入が見込まれる状況または維持透析を行っている場合はすべての患者が腎機能からみた腎移植の適応となる。ただし献腎移植では基本的に透析導入患者のみが移植登録可能である。

􌏰 いつ移植をすべきか

移植の実施時期については日本の現状では透析導入後であることがほとんどである。この理由は医学的なものではなく透析導入前に医師からきちんとした移植の説明を受けていないことが多い。しかし医学的には透析導入前に移植に踏み切るほうが透析後に移植するより移植腎の生着率が向上することが明らかになっている。医学的に移植手術が可能で生体腎移植ドナーがいる場合は透析前に移植を行うことを積極的に考慮すべきである。

􌏱 生体腎移植か献腎移植

腎臓移植を患者に説明する場合可能なら患者の家族に一緒に話を聞いてもらうことが望ましい。ドナー候補となる家族の多くは腎臓移植について知識がないため一緒に話を聞いてもらうことによってドナーを見つけることができる。また患者が家族へ腎の提供を自ら持ちかけることは抵抗があることが多く家族からの積極的な提供の申し出は家族に説明を行うことがきっかけとなることも多い。

欧米では子から親への移植や友人からさらには第三者からの移植なども行われるが日本では日本人の価

値観もあってかこのような移植は少なく多くは親から子へまた兄弟姉妹からそして最近増加している配

偶者からの提供がほとんどである(夫婦間移植については患者は意外に血縁者以外からの移植ができることを知らないことが多い)。しかし日本移植学会では2003年より非親族からの臓器提供も認める方針となっている。

生体腎移植は明らかに献腎移植よりも移植腎の生着率が高い。HLA抗原( human leukocyte antigen:ヒト組織適合抗原)が3対( HLA-A,B,DR )すべて適合している献腎移植より全くHLA抗原の合っていない配偶者

からの腎の生着率が高いことはよく知られている。しかし最近の腎保存方法や免疫抑制剤の進歩により生着率の差は低下しつつある。よって生着率という観点からは生体腎移植と献腎移植の差は小さくなりつつある。

むしろ問題なのは日本では献腎移植の数(臓器提供の数)自体が非常に少なく献腎移植を受けられる可能性が低く受けられるとしても登録から非常に長くかかる可能性が高いことである。具体的には現在移植登録患者数は13,000人であるが,実際に献腎移植に至っているのは年間150人であることを考えると非常に単純な計算では年待たないといけないことになる。しかし幸運な場合は数年以内に献腎移植が受けられる人もいることも事実である。この点は患者に説明しておかなければならない。

腎臓移植レシピエントの適応となる前提条件

腎臓移植レシピエントの適応を考える際に上記した腎機能の条件( GFRが15ml/min 以下で6カ月以内の透

析導入見込みないしは透析患者)以外に以下のことに対する考慮が必要である。

􌏯 血液型

腎移植ではABO血液型抗原は一致が絶対条件であり生体腎移植でも一致していることが望ましい。しか

し生体腎移植では血液型の違う輸血が可能な組み合わせと同様に移植後の処置(免疫抑制剤の強化や移植

腎への放射線照射など)により血液型不一致移植は十分可能である(表3))。問題は血液型不適合移植(表)であ

る。この場合移植後の超急性拒絶反応を抑えるためにA抗または抗B抗体を移植前に血漿交換二重膜濾過

血漿交換(DFPP )などによって除去し抗体値を下げる( 8~16 倍以下)ことが必須である。脾臓摘出を同時に行う施設も多い。このような処置によっても移植腎の生着率はABO一致例に比べ低いが最近の免疫抑制剤の進歩によりその成績は向上しつつある。現在生体腎移植においてABO血液型の不適合は腎移植の禁忌ではない。

􌏰 組織適合抗原( HLA抗原)

組織適合抗原( HLA抗原)は腎移植においてはHLA-A,HLA-B,HLA-DR)の3つ( 1つにつき2対存在するので計6抗原)が重要である。HLA抗原は一致数が多いほど移植腎の生着率は高いがその差は大きなもの

ではない。献腎移植では数少ない献腎を最も有効な形で提供するために抗原の一致数が高い患者が優先

的に移植を受けられるシステムを採っているが,HLAの6抗原が全く一致していなくても移植は可能である。

実際,HLAの6抗原すべてマッチした献腎移植より,6抗原すべてが合わない夫婦間移植の成績のほうが良い。

よって腎移植においてはHLA抗原の適合は望ましいが必須ではない。

􌏱 クロスマッチ(抗ドナー抗体の検出)

血液型やHLA抗原が不一致でも移植は可能であるがレシピエント血清とドナーリンパ球をin vitroで反応

させリンパ球融解(ドナー細胞表面抗原に対する抗体の存在を意味し超急性拒絶反応を起こす)が起こらないかをみるクロスマッチテストは陰性であることが絶対条件である。クロスマッチの陽性化はたとえ血液型やHLA抗原が一致していても起こりうる。特に以前に臓器移植を受けていたり妊娠や多量の輸血を受けた病歴を持つ患者ではクロスマッチ陽性率が高くなる。またクロスマッチテストが以前陰性であっても陽転化することもあるため注意が必要である。最近一部の施設(東京女子医科大学など)では移植手術前に血漿交換や免疫抑制剤治療(抗CD20抗体などを含む)を組み合わせて抗ドナー抗体の陰性化を図ってから移植を施行し良好な結果を得ている。よって抗ドナー抗体が陽性であっても移植できる可能性は残っている。

􌏲 年齢

高齢者は合併症(心肺など)が多く感染にも弱いため術後の合併症が多いが免疫学的活動性の低下のためか

拒絶反応は少なく使用する免疫抑制剤も減量できる可能性がある。表􌏜のように高齢者は死亡による移植腎喪失のリスク(death with functioning graft :DWFG 移植腎機能は良いがその他の合併症で死亡する)は高いが死亡以外の原因(拒絶反応など)によるリスクは逆に若年者より低いことがわかる。ただ日本では多くの生体腎移植ドナーは親・兄弟姉妹・配偶者であるため患者が高齢であればドナーも高齢であることが多く手術が医学上の観点から無理な場合も多い。多くの施設は65歳までを一応の目安にしている。しかし患者が腎疾患以外の問題がなく手術可能なドナー候補がいる場合や献腎移植を望む場合は積極的に考慮してよいと思われる。

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